こんにちは!今回のコラムは「査定額」についてです。
所有不動産へ売却額を調べたい場合に、まずは不動産会社に査定を依頼しますが、複数社に依頼すると不動産会社によって査定価格にバラつきがあることが分かります。
A社は3,000万円としたのにB社は2,700万円、一方C社は3,200万……という具合です。
では、不動産会社はどうやって査定額を計算するのでしょうか?詳しく解説します!
査定額の算出方法
マンション、一戸建て、収益物件などにより、査定手法が異なりますが、その算出方法は3つあります。
取引事例比較法、原価法、収益還元法の3つを順に説明します。
(1)取引事例比較法
主にマンション査定で使用します。同じマンションや、近隣の立地や同程度の広さ・築年数のマンションの成約事例から算出します。
成約事例は、不動産業者専用の物件データベースであるレインズに成約登録されたデータが出どころです。つまり、どの仲介会社が査定しても、根拠は同じのはずです。
(2)原価法
主に一戸建ての査定で使用します。更地の査定額+現在の建物価格で算出します。更地の査定は(1)と同様に成約事例を出どころに計算します。
一方、現在の建物価格は、再調達価格×{(耐用年数-経過年数)÷耐用年数}で計算します。
土地の価格は(1)と同様レインズが出どころであり、再調達価格は国交省資料で提示されています。つまり、ここでもどの仲介会社が査定しても根拠は同じ、となるわけです。
(3)収益還元法
主に収益不動産(不動産投資用の物件)の査定で用います。(1)の成約事例を出どころとした、成約実績のある表面利回りから、賃料収入で逆算した価格です。これもどの仲介会社が見ても根拠は同じになりますね。
繰り返しになりますが、上記の3つの手法で根拠になる数値は公になっているものです。
このため本来はどの仲介会社でも、査定額はほぼ同じになるはずです。むしろ、ばらつきが出てはならない、といえます。
では、なぜ不動産会社によって査定額が違うのでしょうか。
不動産業者によって査定額が違う理由
不動産会社の扱う「商品」は売却依頼を受けた「売り物件」です。
商品がなければ、集客もできない。その結果、各社とも売り物件の取得がなにより優先され、高額査定で売主様の歓心を得て、何が何でも媒介契約がほしい!となります。
「ウチだったら必ず他社よりも高くお売りいたします! その技術もノウハウもありますから任せてください!」と売主様へアピールするために高い金額を提示しているだけですので、その値段では当然売れません。売れないまま時間だけが過ぎ、機会損失を被るだけとなります。
当社のお客様でも、上記のような言葉で他の不動産業者で媒介契約し、最終的に「この値段では売れない」と手のひらを返され不動産業者の言うまま値段を下げていくことになった・・・。というケースがありました。
このような事態になると本当にもったいないです。査定額の根拠もなく高額査定がされるケースは要注意です。
最後に
複数の不動産業者に査定をした時は査定額で判断しがちですが、それだけで判断するのではなく、査定額根拠を示しご自身に寄り添ってくれる不動産業者を見つける事が大切です。
当社では極めてリアルな査定額根拠をお見せできます。売却でお悩みの際はぜひ当社へお問い合わせ下さい。